一行の詩

直観のままに、わくわくして生きていく

ティー・パーティ

昔(ほんとに昔)、皆川ゆか氏の『ティー・パーティシリーズ』(ティーンズハート)が愛読書で、色んな要素にドキドキしながら発刊を楽しみにしていた。百合という言葉を知ったのも初めてだったし、密教的な世界観や輪廻転生や、火星王朝なんてSF要素にもワクワクした。小学生のときに読み初めて完結まで追いかけた。

 

今思えば色んな原初体験になっているように思う。異性愛以外や、多様なセクシャリティに対する認識や宇宙への興味、過去世への関心…当時は誰も共有する人がおらず、表面的な友人関係とは別の、自分だけの世界として心の奥底にしまわれていた。自分のアイデンティティに大きな影響を与えたということを自覚したのはつい最近。

 

わたしは人の影響を受けやすく自分の本当の気持ちがわからなくなるときがある。本当にこの人が好きなのかとか考え始めると迷宮に迷いこんでしまう。好きと思えば好きなんだと軽く思えばいいのかもしれない。しかし、そうなるとどんなセクシャリティの人も受け入れられそうな気になるときもある。既婚なので受け入れないのだが、映画やドラマのどんな設定も深く感情移入できてしまう。

 

ティー・パーティシリーズでは、生まれ変わったら女の子同士で友達として仲良くするのだが、愛する気持ちを顕せない、ボーダーラインを越えられないことに懊悩する場面に号泣した。処分してしまってもう読めないのが残念だ。